石垣島ディープツァー(50) 島の奇岩⑤御神崎 姉の頭石(ブナリツブルイシ)  寺澤禎則

石垣島西部の御神崎には、
「姉の頭石(ブナリツブルイシ)」と呼ばれる石があります。
大きな岩の上に、女性の頭のような形をした石が乗っています。

解説板には、こう書いてありました。
進行深い姉と、乱暴者の弟の悲しい話。
岩山の上の大きな石は、激しい台風や地震があっても、
不思議とびくともしないと言います。

悲しい話、調べてみると、こんなお話でした。

昔、名蔵に、とても信心深くて働きものの姉と、どうしようもなく怠けもので
朝から酒を飲んでブラブラしている弟がいました。
そんな弟に、姉はいつもいつも心を入れかえて、祖霊をうやまい
、先祖が残してくれた土地を耕してまじめに働くようにと言い聞かせるのでしたが、
弟はなにを言われても気にもとめていませんでした。

ある日の夕方、姉が畑から帰って来ると、
弟は悪い友人を呼んでみんなで酒盛りをしていました。
怒った姉はおもわず大声で弟を叱りつけると、弟はみんなの前で恥をかかされたと言って、
家の中からナタを持ち出してきて姉を切りつけてしまいました。

切りはなされた姉の頭は、弟の首にくらいついて弟をかみ殺すと、
そのまま空を飛んで御願崎の先の海の中につき出している岩の上まで行くと、
その岩の上にかみついて止まりました。
そして、姉の頭はそのまま石になってしまいました。
今でも御神崎の先の岩の上にその石があって、
どんな嵐があってもそこからはなれることはありません。

(出典:石垣島の伝説)

本部(水)・ソレイユカルチャーセンター三郷(月)講師
寺澤 禎則
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